干し芋の保存方法

自然な甘さとしっとりとした食感が魅力の干し芋。
スーパーで購入するだけでなく、自宅で手作りするという人もいるでしょう。
その際、食べ切れなかった干し芋をどのように保存していますか?
乾燥させているとはいえ、干し芋は半生状態の食べ物なので、傷めずに長持ちさせるためには保存場所に配慮する必要があります。
この記事では、干し芋の基礎知識と適切な保存方法について詳しくご紹介します。

【目次】

1.干し芋の基礎知識

2.干し芋の白い粉の特徴とカビとの見分け方

3.干し芋に適した保存方法

4.干し芋を正しく保存して、美味しさを長持ちさせよう

干し芋の保存方法

干し芋の基礎知識

干し芋は、そもそもどのように作られるのでしょうか。まずは、干し芋に関する基礎知識についてお伝えします。

●干し芋とは
干し芋は、サツマイモを蒸した後、天日干しすることで乾燥させた加工食品です。
「乾燥芋」とも呼ばれます。
サツマイモ特有の甘味があり、食感はしっとりして、もちもちしています。
ホクホクした焼き芋とは異なる魅力があり、サツマイモの品種を変えて食べ比べてみても楽しいでしょう。
サツマイモを薄切りした形が一般的ですが、棒状に加工した干し芋や小ぶりの芋を丸干ししたタイプもあります。

乾燥させたサツマイモを食べ始めたのは19世紀頃からと考えられています。
発祥地は静岡で、20世紀に入ると茨城でも生産が始まりました。
生ものであるサツマイモは輸送が困難だったため、乾燥させて保存食にしていました。
乾燥の度合いを緩め、嗜好品として人気が高まってきたのは第二次世界大戦後のことです。
現在では各地で製造されていますが、中でも茨城が主要な産地です。
茨城の土壌は水はけが良く、サツマイモの生産に適していたことなどを背景に、20世紀以降に生産量を大きく伸ばしました。

干し芋は、栄養価の高さも人気の理由です。
サツマイモに含まれている豊富な食物繊維をはじめ、カリウム、マグネシウム、鉄分などのミネラルのほか、ビタミンCやEなどのビタミン類も含まれていて、美容効果も期待されています。

干し芋の原料はサツマイモのみです。
蒸して干すことで甘味が強く出るために「砂糖を加えているのでは?」と感じる人がいるかもしれません。
しかし、干し芋は一般的に糖分や保存料などの添加物は含まれておらず、素材が持つ自然な甘味を食したいという人にもおすすめです


●干し芋の作り方
干し芋は、自宅でも簡単に作ることができます。
ぜひ我が家流の干し芋を作ってみませんか。サツマイモの品種は、干し芋を代表する「玉豊(たまゆたか)」や、手に入りやすい「紅(べに)はるか」などがおすすめです。
掘りたてのサツマイモを入手した場合は、1カ月ほど熟成させてから使いましょう。
なぜなら、収穫したばかりのサツマイモは甘味が少なく、食感がパサパサとしているからです。
市販されている干し芋も、収穫後に一定期間熟成させた後、製造工程に移ります。

(1)干し芋を作るときは、初めにサツマイモをよく水洗いし、1~2時間ほど時間をかけてじっくりと蒸します。
ここでは、時間をかけて蒸すことが甘味を引き出すコツです。

(2)蒸し上がったら皮を剥き、1cmほどの厚さで縦長にスライスします。このとき、サツマイモがボロボロと崩れないように気をつけましょう。

(3)次に、スライスしたサツマイモを1枚ずつ丁寧に干し網の上に並べましょう。
干し網は100円ショップにも販売されていて、手軽に入手できます。

(4)サツマイモを並べたら、干し綱を物干し竿などに掛けて天日干しにします。
そのまま3~7日間干して、お好みで乾燥させます。その際、毎日夕方には干し芋を室内へ取り込みましょう。
屋外に出しっ放しにしておくと、サツマイモの表面に夜露が付いてカビが発生する可能性があるからです。
また、サツマイモをバランス良く乾燥させるために、毎日サツマイモを裏返すこともポイントです。

天日干しは、天気に左右される作業のため、天気予報をチェックして晴天が続きそうな時季に干し始めると良いでしょう。
商品化された干し芋も基本的な作り方は同じで、天候によって干す日数を増やしたり、仕上げに乾燥専用の機械を使ったりしています。

干し芋の保存方法

干し芋の白い粉の特徴とカビとの見分け方

干し芋の表面に付いている白い粉はほとんどの場合、食べても問題ありませんが、まれに白カビが発生していることがあります。白い粉と白カビをどのように見分けることができるのでしょうか。

●干し芋の白い粉とは
干し芋に付いている白い粉は、サツマイモに含まれるデンプンが糖化したものです。
もともとサツマイモに含まれている糖分が、乾燥によって浮き出ただけで、食べても害はありません。

●白い粉と白カビの見分け方
干し芋を保存食として食べていた時代は、サツマイモをカラカラになるまで乾燥させていましたが、近年では食感や味わいを重視して、半乾燥状態で仕上げていることがほとんどです。
そのため、カビが発生してしまう危険性があります。
中でも白カビは、白い粉と見分けにくいので注意が必要です。
白い粉か白カビかを見分けるためには、その状態に注目しましょう。
干し芋にもともと含まれる糖分は、白い粉をサツマイモ全体にまぶしたように付くという特徴があります。
一方の白カビは、カビ特有の胞子があり、塊になって付着します。
干し芋に付着した白い粉に、部分的な膨らみが見られる場合は、口に入れないように注意しましょう。

干し芋に適した保存方法

干し芋は適切に保存することで、カビさせることなく最後まで美味しくいただけます。ここでは、干し芋の保存方法をご紹介します。

●常温保存する場合
干し芋の保存に適しているのは、温度が10℃以下で直射日光が当たらない冷暗所です。
しっかりと密閉し、湿気に触れさせないことがポイントです。
特に気温や湿度が高くなりやすい夏場は、部屋が温まり、カビが生えやすくなります。
干し芋の状態を見ながら、早めに食べ切ることをおすすめします。
一般的に、市販の干し芋は未開封であれば常温保存で約2カ月間は安心して食べることができます。
賞味期限は商品の種類によっても異なるため、パッケージの記載を確認した上で、冷暗所に保存しましょう。

●冷蔵保存する場合
10℃以下の冷暗所として適しているのが冷蔵庫です。
干し芋を密閉した袋に入れて、冷蔵庫に保存しましょう。
保存のコツは、1枚ずつラップで包んでから袋に入れることです。
少し手間はかかりますが、干し芋同士が引っ付かず、取り出しやすくなります。
保存期間の目安は3カ月です。
冷蔵庫の中は乾燥するため、干し芋が硬くなりがちです。
食べるときは、電子レンジを使うと良いでしょう。
乾燥した干し芋を加熱すると、風味と柔らかさが蘇ります。

●冷凍保存する場合
干し芋は冷凍保存も可能です。
保存するときは1枚ずつアルミホイルで包み、袋に入れて密閉しましょう。
食べるときにはアルミホイルごとオーブントースターで焼くことができます。
保存の目安は6カ月です。
冷蔵保存よりも長期間保存できるので、食べ切れない分量があるときは、冷凍保存をおすすめします。

干し芋の保存方法

干し芋を正しく保存して、美味しさを長持ちさせよう

サツマイモの甘味が凝縮し、栄養価も高い干し芋。天日干しにして乾燥させているとはいえ、保存状態によってはカビが生えてしまうことがあります。
干し芋の表面が白くなっていたときは、白い粉の状態に注目して糖分か白カビかを見分けることが大切です。
長期保存したいときには冷蔵庫や冷凍庫を活用しましょう。
冷蔵庫なら3カ月、冷凍庫なら6カ月の保存が可能です。
干し芋の美味しさを長く楽しむためにも、正しい保存を心掛けましょう。