あなたはシャワー派?お風呂派?

みなさん、「カテキン」という言葉、聞いたことありますよね?
お茶に含まれる渋みの主成分で、ポリフェノールの一種として広く認知されるようになってきました。
一口に渋み成分やポリフェノールと言っても、多様な種類が存在します。
今回はカテキンの成分や特徴について取り上げてみたいと思います。

カテキンの歴史

ポリフェノールとは植物に含まれる色素や渋味の成分で、広くはゴマのセサミンやウコンのクルクミン、ブルーベリーのアントシアニンも同じ仲間になります。
カテキンは、ポリフェノールの中のフラボノイド、その中でもフラバノールという種類に入ります。
カテキンの語源は、インドなどに生えているアカシヤ・カチュー(マメ科アカシア属の低木)の樹液から採れる「カテキュー」に由来しています。

1832年にニース・バン・エーゼンベックというドイツの植物学者が、「カテキン」という名称を初めて使用したと言われています。
今から200年近く前から、カテキン成分についての研究が始まっていたのは驚きですね。

日本に目を向けると、1929年に日本初の女性農学博士となった辻村みちよが、世界で初めてエピカテキンを緑茶抽出物より分離する事に成功します。
以降、日本でのカテキンの研究が進み、4種類の主要なカテキンのうち、3種類が日本の化学者によって発見されることになったのです。

シャワー

お茶の種類とカテキン

カテキンというと、緑茶のイメージがありますよね。
カテキンは非常に酸化しやすい物質で、この酸化作用とお茶の種類・製造工程に密接な関係があります。

カテキンは緑茶に多く、ウーロン茶、紅茶の順に減少します。
緑茶は、荒茶製造工程中で酸化酵素の働きが抑えられるため、ほとんど酸化しません。
なので、緑茶には多くのカテキンが含まれています。

しかし、ウーロン茶や紅茶では、製造過程で酸化作用が進み、カテキンが酸化重合物(オレンジや赤色の成分)と言われる物質に変化してしまいます。
ウーロン茶や紅茶が赤褐色の色をしているのはこのためです。

また、同じ緑茶でも種類や成長段階によって、抽出されるカテキンの量に違いが生まれます。
若い芽よりも成長した葉の方がカテキンを多く含むので、一番茶よりも二番茶の方がカテキンの量が多くなります。
また、遮光栽培される玉露の方が煎茶よりもカテキンの量が少なくないことも知られています。
玉露の方が煎茶に比べて、渋味が少なく、まろやかな味になるという点からもうなずけますね。

バスタイム

お茶の入れ方とカテキン

お茶は淹れるお湯の温度や抽出時間によって、お茶に含まれる成分の溶け出し方が変わります。
カテキンは高い温度で抽出されやすいので、より高い温度のお湯を使った方がカテキンをたくさん含むお茶を淹れることができます。
逆に、玉露のようなお茶で、テアニンやアミノ酸などのうまみや甘みを楽しみたいときには、温度の低い50~60℃くらいのお湯で淹れ、カテキンの成分抽出を抑えましょう。

さらに、水出し茶の場合、より温度が低くなるので抽出されるカテキンの全体量は少なくなりますが、抽出されるカテキンの割合に違いが出ることも確認されています。
お湯の場合はエピガロカテキンガレートが最も多く含まれますが、水出し茶の場合、エピガロカテキンが最も多く含まれるお茶を抽出できます。
お茶の淹れ方によって、抽出されるカテキンの量や成分が変わるのは面白いですね。

また、お茶(茶葉)は空気に触れたり、直射日光に当たることで酸化が進むと、お茶の葉に含まれるカテキンやビタミンなどの栄養素が破壊されてしまいます。
基本的には茶筒のような密閉できる容器または袋に入れて、冷暗所で保存するようにしましょう。

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まとめ

このようにカテキンにはたくさんの種類が存在し、食材やお茶の種類によって含有量や抽出できる量が異なります。
使用する茶葉や、お茶の淹れ方によって抽出されるカテキンにも差が出てきます。
カテキンの特性を知ることによって、お茶の淹れ方、楽しみ方も広がるので、ぜひ試してみてください。