連載:解ればできるアンチエイジング 第5回 酸化からお肌を守る

講師の先生プロフィール

アンチエイジングアドバイザー 米井嘉一先生

同志社大学大学院生命医科学研究科教授として研究に尽力するほか、日本抗加齢医学会の国際担当理事として、アジア・ヨーロッパ・アメリカなど各国の抗加齢医学会との交流に努める。主な著書に、「アンチエイジングのすすめ」(新潮社)、「早く老ける人、老けない人」(PHP研究所)などがある。

皮膚の色ツヤがよく、ハリがある人は、男女を問わず実際の年齢よりもずっと若々しく見えますね。
この若々しさを失わせる最大の要因は「紫外線」なのです。

皮膚の老化の7割は紫外線による酸化

これから紫外線量が増えるとともに、肌の露出度が高くなるという、肌にとってもっとも過酷な季節を迎えます。実は皮膚の老化の原因の7割が、紫外線による酸化=サビであり、内因性のフリーラジカル※による酸化(1割)と合わせると、肌の老化の8割は酸化が原因だといっていいのです。紫外線によって起こる肌の老化を「光老化」と呼びます。紫外線で皮膚が日焼けすると、コラーゲンなどのハリを保つ組織が切断されて弾力性が失われたり、メラニン色素が生成し角質層に沈着してシミになるなどの皮膚の老化が進むばかりか、その過程でフリーラジカルが大量に発生するのです。必要以上に増えたフリーラジカルは、様々な細胞を酸化させて老化を早めたり、動脈硬化を進行させたり、生活習慣病を促進させる原因にもなります。つまり紫外線対策は、フリーラジカルの発生を抑えるためにも欠かせません。

薄毛・抜け毛も酸化が関係

「髪が抜けやすくなった」「髪のボリュームが減って、以前のようなヘアスタイルができない」「薄毛が気になる」「髪の毛にコシがなくなった」こうした悩みをもっている人は多いと思います。こうした変化は、男女問わず起こる髪の老化現象といえますし、最近では20代の女性にも、髪のことで悩む人が増えています。加齢による薄毛は、紫外線による頭皮の老化が大きな原因となっています。頭皮の皮脂も、紫外線を浴びることで、過酸化脂質に変わり、抜け毛を促進させます。また、様々なストレスからフリーラジカルが増えれば、髪に必要な栄養や酸素が行き渡らなくなり、薄毛が加速します。つまり、毛髪には遺伝的要素もあるものの、酸化も大きく関係しているのです。

紫外線対策をしっかりと!

ここまで、見た目の若さに大きく関係する肌と毛髪について、紫外線による酸化が大きな老化要因であることについて述べてきました。当然のことながらこれからの季節はまずUVケアをしっかりとする必要があります。屋外に出る時は、帽子や日傘などで紫外線をブロックしましょう。日焼け止めクリームは、日常生活レベルでは「SPF15+」程度で十分。屋外での軽いスポーツやレジャーでは「SPF30++」が目安です。大切なことは、夏場は汗などでクリームが徐々に落ちていきますので、こまめに汗の塩分を拭いて塗り直しましょう。とにかく紫外線を浴びてしまった後のケアより、予防をしっかり意識することです。

おすすめの抗酸化=サビ止め対策とは?

紫外線をはじめ様々な危険因子からの酸化を防ぎ、若さと健康をキープするためには、これからお話する抗酸化=サビ止め対策は大切になってきます。精神的なストレスや紫外線によって発生した大量のフリーラジカルに対抗するもっとも有効な対策は、睡眠と休養です。睡眠時に分泌されるホルモンであるメラトニンは、睡眠の質を高める働きとともに強力な抗酸化作用をもっています。フリーラジカルを除去する物質はいくつも発見されていますが、その中でもメラトニンは格段の能力をもっていて、細胞の一つひとつに浸透して、フリーラジカルの攻撃から私たちのDNAを守ってくれます。また、メラトニンによって睡眠の質が高まれば、肌の疲れやダメージを回復し、肌の細胞の代謝を高めてくれる成長ホルモンの分泌量も多くなります。メラトニンをより多く分泌させるためには、どうしたら良いか?それは、規則正しい生活を心がけ、朝起きたらまず明るい光を浴びるようにします。光の刺激は、目の網膜から脳の松果体に伝わって、メラトニンの分泌がピタリと止まります。メラトニンの分泌を朝にきちんと止めることで、12~14時間後の夜にメラトニンが正しく分泌されるように体内時計がリセットされるのです。それに加えて、栄養バランスのとれた食事をとり、適度に運動することを心がけます。さらには、寝る前にぬるめなお湯にゆっくりと浸かって心身の疲れをとり、寝るための快適な環境を整えましょう。

お茶は国民的 抗酸化飲料です

からだの酸化を食い止めるために、フリーラジカルを除去する作用のある成分=抗酸化物質を摂ることも有効です。抗酸化物質を含む食べ物には、フリーラジカルによる遺伝子の損傷や、細胞膜・脂質・たんぱく質を酸化するのを予防する作用があります。私たちの身近にある抗酸化物質としては、ビタミンAやC、E、ベータカロチンなどがあります。これらが多く含まれている食品といえば、やはり野菜です。特にカラフルな野菜には、抗酸化物質が多く入っているといわれます。また果物にも多く含まれています。あと有名なところでは、赤ワインに含まれるポリフェノールなどがあります。ワインといえば多くの方がフランスを思い浮かべると思います。赤ワインをフランスの国民的抗酸化飲料とするならば、日本では何か?それは緑茶です。お茶の苦み成分に含まれるカテキンには、強い抗酸化作用があるのです。人々に長く親しまれてきた食べ物や飲み物には、やはりしかるべき理由があるということでしょう。

酸化しないための生活習慣

  • フリーラジカルの発生源から極力遠ざかる。
  • 2.運動でサビ止め能力を高める。
  • 3.抗酸化物質を摂取する。
  • 4.ストレスをためこまない。

ページトップへ▲