連載:解ればできるアンチエイジング 第2回「糖化を防ぐ食べ方」とは?

 

講師の先生プロフィール

 アンチエイジングアドバイザー 米井嘉一先生

 
同志社大学大学院生命医科学研究科教授として研究に尽力するほか、日本抗加齢医学会の国際担当理事として、アジア・ヨーロッパ・アメリカなど各国の抗加齢医学会との交流に努める。主な著書に、「アンチエイジングのすすめ」(新潮社)、「早く老ける人、老けない人」(PHP研究所)などがある。

連載第1回では、老化の原因「糖化」について説明しました。糖化とは「体がコゲる反応」です。この糖化が起こるといくつかの反 応を経てAGEs(糖化最終生成物)と呼ばれる老廃物のような物質が生成・蓄積されて、老化現象にも拍車をかけるということを説明しました。今回は、老化モードを防ぐ食べ方について説明します。

  

   いわゆる高血糖状態になると糖化反応が急速に進みます。簡単に言うと糖化を防ぐ食生活とは、高血糖状態をいかに避けるかということになってきます。

   例えば最も良くないのは、喉が渇いたからといって、空腹時に甘いジュースや甘い炭酸飲料などを一気に飲むような行為です。一気に飲んでしまったら血糖値が正常な人でも200mg/dlから300mg/dlに上がってしまいます。血糖値が180~200mg/dlを越えた状態での糖化の進み方と、血糖値が140から150での糖化の進み方はまったく違います。血糖値が高いほど、糖化されやすくなるのです。さらに、このように血糖値が急激に上がると、血中のインスリン濃度も上昇します。インスリンが大量に分泌されているた め、血糖値が下がった後も、インスリンは高い状態が続くのです。

   今度はその高い状態のインスリンの作用によって、低血糖状態が引き起こされます。低血糖は体にとって非常に危険な状態ですから、今度はインスリンの効きを悪くするような働きが生体中に起こるわけです。これがインスリン抵抗性のメカニズムです。こうなると、インスリンの効きが悪くなって、血糖値がなかなか下がらなくなってきます。つまり、高血糖状態から脱出できないことになります。

   食事をすれば血糖値は上がりますが、都合が悪いのは「急激に上がってしまう」ということです。

 

   現代の食生活の問題点は、血糖を急激に上げる食材や食べ方が多いことです。このように空腹時に甘いジュースを飲んだり、お菓子を食べたりするのはもってのほか。精製された小麦粉を使ったパンなどを食べても、血糖値はすぐに上がってしまいます。精製された小麦粉のパンよりも、胚芽小麦やライ麦などで作られたパン、白米よりも玄米を選ぶことで、急激な血糖値の上昇を防ぐことができます。

   昔は精製されていない食品が多かったのです。それに比べて現代は急激に血糖値を上げる食品であふれてしまいました。人間の体は、精製されていない食品をゆっくり良く噛んで食べていれば、血糖値の上昇もちょうどよく上がるようなしくみになっているのです。また、たとえ同じ食品を食べた場合でも、ゆっくり食べれば急激な血糖値の上昇は避けられます。つまり、"糖化のリスク"を下げることができるのです。

   そうした食品の"糖化のリスク"を調べるにはGI(グリセミックインデックス)値を利用すると良いでしょう。例えば、同じイモ類でもジャガイモとサツマイモでは、ジャガイモの方が"糖化のリスク"が高く、サツマイモの方が"糖化のリスク"が低いことになります。おやつを食べるのであれば、ジャガイモを酸化した油で揚げたようなポテトチップスではなく、ふかしたサツマイモを食べた方が良いのです。

   同じエネルギーでもGI値を比較して、GI値の低い方を選ぶことが糖化を防ぐポイントです。

 
 

   ダイエットをしている人たちはとかく「低カロリーか どうか」を気にしますが、GI値を目安に食品を選んでいくことも大切です。どちらを食べようか迷うときは、GI値の低い方を選んで食べることが基本です。

   GI値が高い食べ物であれば、その食べ方を工夫することで、急激な血糖値の上昇を防ぐことができます。例えば同じ果物でも、そのままであれば食物繊維が多く含まれていますが、ジュースにすると食物繊維が細かくなったり、取り除かれてしまいます。そうすると、同じ分量でもジュースの方が多く糖質を含むことになります。ジュースにしてしまって一気に飲むより、皮をむいてそのままの状態で食べる方が、急激な血糖値の上昇を避けられます。

   このように、GI値の高い食べ物は、気をつけてゆっくり食べることを心がけましょう。甘いものは食べてはダメ、というわけではありません。節度を持った食べ方をすれば良いのです。

   先ほどお話したように、白米より玄米・雑穀の方がGI値も低いわけですが、じゃあ急に主食を玄米に変えても、白米と同じようにガツガツと食べたら、玄米・雑穀では消化不良を起こしてしまいます。玄米・雑穀はゆっくり良く噛んで食べないことには、その良さが引き出されないのです。白米から玄米・雑穀に移行するのであれば、噛む練習を一緒にやるべきです。そのためには、最初は白米に3割だけ玄米・雑穀を混ぜるとかして、段階を経て実行すると良いでしょう。玄米・雑穀を良く噛んで食べるという食習慣が身につけば、それがベストでしょう。玄米・雑穀の滋養を享受でき、良く噛むことによって唾液の分泌が活発になり消化吸収が良くなりますし、噛むという行為によって、脳からでるホルモン分泌も活性化します。また、噛むことによって頬から顎の筋肉が鍛えられて、たるみのないひきしまった顔になっていきます。まさに一石三鳥、四鳥の効果です。

 

   GI値と照らし合わせて食材を選ぶことと同様、食事をする際の食べる順番も大きく影響します。血糖値が上がりやすい食品は後に回すのです。順番としては、最初に繊維質の多いサラダを食べて、次に野菜の煮物などのおかず、その次に肉や魚、最後にご飯を食べるというのが理想的。最後にご飯だけ食べるというのは無理があるかもしれませんが、心がけとして覚えておいてほしいと思います。お菓子なども絶対食べてはいけないのではなく、空腹時にたくさん食べるのはよくないけれど、食事の後のデザートとして適量であれば、害が少ないということになります。

   お菓子類に多く含まれている砂糖やブドウ糖は、GI値が極めて高く、急激に血糖値を上げる食材の代表選手です。よく「脳のエネルギー源はブドウ糖」ということもいわれますが、脳の代替エネルギーは存在しますし、少なくとも現代日本の食生活では、砂糖不足(炭水化物不足)という事態はありえません。むしろ炭水化物の過剰摂取による糖化の促進のほうが問題です。

   また食べる時間帯も重要です。寝る直前に食べるのはもってのほか。少なくとも二~三時間は空けましょう。相撲部屋ではたっぷり食べてその後昼寝をして力士体型を作っています。



   これらの点に気をつけることで、糖尿病予備軍の人は糖 尿病への進行を防ぐことができますし、通常の血糖値の 人も、糖化による老化を防ぐことができるのです。

 
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